P&G、その安定した優良銘柄
米国株には安定した業績、連続増配銘柄がいくつかあります。
その中の一つにプロクターアンドギャンブル社(P&G、ティッカーシンボルPG)があります。
同社は世界最大の一般消費財メーカーであり、本社はアメリカオハイオ州のシンシナティ市に本拠地が置かれています。
創業は1837年、ローソク業者のウィリアム・プロクターと石鹼業者のジェームス・ギャンブルの共同出資により設立されました。
数多くのブランド商品があり、洗剤のアリエール、柔軟剤のレノア、シャンプーのパンテーン、消臭剤のファブリーズなど、挙げたらキリがありません。
皆もP&Gのことを意識しなくても、知らず知らずのうちに同社の製品を使っているのではないでしょうか?
P&Gは4月21日に2023年1~3月期の決算が発表、業績は市場予想を上回りました。
結果は以下のとおりです。
売上高 200.68億度ドル
売上総利益 96.64億ドル
営業利益 42.48億ドル
当期純利益 33.97億ドル
(参照:Invest Comより)
それぞれが前年同期と比較して上昇していました。
そのため4月22日の株価は前日よりも3.46%と大幅に上昇しました。
4月23日現在、一株156.07ドルです。
2022年は多くの米国株と同様にマイナスで終わりましたが、2023年に入ってからは2.98%プラスとなっています。
PGの各財務表を見ていきましょう
まずは貸借対照表からです。
4年分を棒グラフにして表します
負債超過となっておらず、安定しているといえるのではないでしょうか?
次は損益計算書です
少しずつですが、総売り上げも当期純利益も増加傾向です。
最後にキャッシュフロー計算書です
各年とも営業CFはしっかりとプラスです。
また財務CFも各年マイナスです。
2021年6月30日の財務CFが大きくマイナスになっています。気になって色々と調べたのですが、理由はわかりませんでした。
財務諸表でみるとおおよそ健全そうです。
毎年きちんと利益を出しているために、市場や投資家から評価されているのでしょう。
それではなぜP&Gはこれほど評価されているのでしょうか?
P&G日本のホームページには
「P&Gの製品は、「必要とされていること」を「出来ること」と結び付けることで有名になりました」
と記載されています。
そのために、詳細なマーケティングを行っているとのことです。
同社のマーケティングの概念として「Cousumer is Boss」という言葉があるとのことです。
つまり、P&G社員のボスは上司や株主ではなく、商品を購入し利用している消費者という概念とのことです。
これらはもっともなことであり、十分納得、理解できるものです。
しかしそれだけでここまで高評価されるものなのでしょうか?
もっと深い理由があるように思えます。
企業が持続的収益を上げるためにはStrategic Positioning(SP)とOrganizational Capabilitiy(OP)が必要とされています。
SPは簡単にいうと、他社と違ったものを目指すということ
OCは他社とは違った収益力を持つということ
つまり、最初はNumber oneを目指さず、Only oneを目指す。
結果的にOnly oneからNumber oneになるということでしょうか?
それがP&Gにとってどういうものなのか?
わかったら、また報告させていただきたいと思います。