エヌビディア(NVDA) ものすごく期待されているIT企業
エヌビディア(ティッカー;NVDA)はアメリカカルフォルニア週にある半導体メーカーで、半導体のなかでもGPU(Graphics Processing Unit)を製造するメーカーです
同社は1993年、台湾系アメリカ人であるジェンスン・ファンがクリス・マラコイスキーとともに、カルフォルニア州のサンタクララ群に設立しました。
サンタクララ群はシリコンバレーの一部にあり、同郡にはスタンフォード大学があります。
GPUとは日本語に訳すと「画像処理装置」です。パソコンの画面表示や画像処理に特化した演算装置です。特に3次元グラフィックスや動画の圧縮、展開などに必要な演算を高速化する並列処理に優れているといわれ、今後のAI開発に必要なものといわれています。
現在エヌビディアのGPUは、他社のGPUと比較して優位性があるといわれています。
株価
エヌビディアは2023年5月24日に2023年第1四半期の決算を発表しました。
EPS(1株当たりの利益)は1.09ドルであり、予想0.92ドルを上回りました。
そして売上も71.9億ドルあり、こちらも予想65.2億ドルを上回りました。
その結果を受けて、同社株は前日の305.38ドルから379.8ドルと、なんと24.37%も値上がりしました。
現在同社の時価総額は963億ドルであり、米国株では時価総額ランキングで第4位となりました。
株価チャートです
5月25日に株価が飛び上がってますね。
エヌビディアは2023年に入ってから何と166%もの株価が上昇しています。これはS&P500銘柄ではぶっちぎりの1位です。
下のグラフはRSIですが、5月25日以降は跳ね上がり、70前後と超強気、買われすぎの様相を呈しています。
同社株のPERも228倍と超割高になっていますね。PER(株価収益率)は15倍前後が適切に評価されていわれています。
現在のエヌビディアの株価は、とても手が出せる状態ではないですね。
それでは今回の決算をみていましょう。
過去の決算と比較してみていきます。
まずは損益計算書です。
損益計算書
まず四半期ごとでみていきます
営業利益、当期純利益は右肩上がりですね。
今度は通期の損益計算書をみてみましょう
2023年1月29日は総収入は前年度と比較して横ばいであったものの、営業利益、当期純利益は前年度よりも下がっていますね。
今回の決算は通期では反映されていません。
貸借対照表
次に貸借対照表をみていましょう。まずは通期でみていきます。
総負債が総資産を上回ることなく、安定していますね。
キャッシュフロー計算書
最後にキャッシュフロー計算書をみていきます。
2022年10月30日の営業CFが低く、投資CFがプラス、財務CFがマイナスです。投資CFがプラスということは、会社が持っている設備や株、債券などを売った金額が投資分を上回っていることを示しています。このときのCF計算書をみてみましょう
純利益/スタートライン | 680 |
営業CF | 392 |
減価償却/減耗償却 | 224 |
減価償却 | 182 |
繰延税 | -532 |
現金支出の伴わない費用 | 179 |
現金収入 | - |
営業支出 | - |
税支払額 | 264 |
利息支払い額 | - |
運転資本の変動 | -873 |
投資CF | 3148 |
設備投資 | -530 |
その他の投資キャッシュ・フロー項目、合計 | 3678 |
財務CF | -3753 |
キャッシュ・フロー項目を融資する | -18 |
配当金支払い合計 | -100 |
株式の発行(退職) | -3635 |
債券の発行(退職) | - |
外国為替の影響 | - |
現金の純増減額 | -213 |
期首現預金残高 | 3013 |
期末現預金残高 | 2800 |
投資CFのところを太字にしています。
うーん、その他投資CFが大半を占めており、なぜプラスになっているのか、これだけではよくわかりません。会社の株、設備を売却してプラスになったと推測するしかありません。
直近のCFは、営業CFが増加しており、投資CFはマイナス、財務CFは減少しています。
損益計算書を併せてみると、利益が増大し、資本を投資にも向けているということでいいのではないでしょうか?
私はエヌビディアの株を持っていません。同社を知った時にはすでに割高になっていました。
テック企業の株は2021年は「期待されて」割高になっており、逆に2022年は金利が上昇したために「割高」であるがゆえに株価が下落しました。エヌビディアも2022年は50%近くにまで下落しています。
しかしリセッション(景気後退)に伴う政策金利の打ち止め期待、そしてChat GPTやマイクロソフトのAI投資を契機としたAIブーム、そして好決算であったことから、エヌビディアの株価は再び上昇しています。
同社の動向には今後も目が離せないですね。