アッヴィ(ABBV)について
アッヴィはアメリカの製薬会社です
(アッヴィ合同会社より引用)
2013年にアメリカの製薬会社アボット社(ティッカー;ABT)からのスピンオフで設立されました。
時価総額は2426億ドルで現在30位前後です。トヨタよりも時価総額が大きいのですね。
アッヴィが製造している薬で有名なのは抗リウマチ薬のヒュミラ®です。
そのほかにも抗HIV薬のカレトラ®や、抗C型肝炎薬のマヴィレット®などです。
私的にはアッヴィはマニアックな薬を作っているという印象です。
なので、会社の知名度はファイザーやアストラゼネカよりも低いと思います。
医療者は知っているけど、他の業種の人は知らないかもです。
それでは同社の決算をみてみましょう
今回の決算
2023年4月27日に2023年第1四半期の決算が発表されました。
まずEPS(1株当たりの利益)は2.46ドルであり、これは予想2.46ドルと同じでした。
また売上は122.3億ドルであり、こちらは予想121.8億ドルを上回りました。
その結果を受けて3.25%下落しました。
さらに損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書をみていきます。
損益計算書
今回の四半期、すべて大きく下げていますね。確かにこれだけの決算結果をみたら大きく下げても仕方がないと思います。
それでは通期の損益計算書もみてみましょう
通期では、右肩上がりにみえますね。
四半期という短期でみると悪くなっていますが、通期だとそれほど悪くないのですね。
次は貸借対照表です。まずは今回の決算のものをみていきます
貸借対照表
総資産が総負債を上回っていて、財務状況はよさそうですね。
貸借対照表の詳細をみていきましょう
2023 | |
流動資産合計 | 26488 |
総資産 | 134544 |
固定資産合計 - ネット | 4931 |
固定資産合計 - グロス | 11142 |
減価償却累計額 | -6211 |
純暖簾 | 32220 |
純無形資産 | 64848 |
長期投資 | 268 |
受取手形 - 長期 | - |
その他の長期資産、合計 | 5789 |
その他の資産、合計 | -7517 |
流動負債合計 | 27590 |
買掛金 | 24361 |
買掛/未払い | - |
未払費用 | - |
支払手形/短期負債 | 1 |
1年以内返済長期借入金/キャピタル·リース | 2817 |
その他の流動負債、合計 | 411 |
総負債 | 121241 |
長期負債合計 | 59643 |
長期負債 | 59643 |
キャピタル·リース債務 | - |
繰延税額 | 2110 |
少数株主持分 | 29 |
その他の負債、合計 | 29868 |
総資本 | 13303 |
償還優先株式、合計 | - |
優先株式-非償還、合計 | - |
普通株式、合計 | 18 |
資本剰余金 | 19619 |
留保利益(累積赤字) | 2393 |
金庫株-普通株式 | -6524 |
ESOP 債務保証 | - |
未実現損益 | - |
そのほかの資本、合計 | -2203 |
負債および株主資本合計 | 134544 |
流通普通株式発行数 | 1763.97 |
総資産は純無形資産の割合が多いですね。製薬会社における純無形資産というのは商標権、特許権、独占販売権、仕掛研究開発費などを指します。新薬開発には膨大なコストを必要とします。そのため薬品には知識、労力が詰まっています。そうしたものが純無形資産となって表れているのですね。
また貸借対照表を四半期ごとをみていきましょう
総資産が徐々に減ってきていますね。しかし負債も資産に比例して減っているため、良しとしていいのではないでしょうか。
それでは最後にキャッシュフロー計算書をみていきましょう
キャッシュフロー計算書
営業CFが減っています。また2022年12月31日の決算で財務CFが大幅にマイナスになっています。
同期のキャッシュフローの詳細をみていきましょう
2022 | |
12月31日 | |
純利益/スタートライン | 2473 |
営業CF | 7428 |
減価償却/減耗償却 | 196 |
減価償却 | 1961 |
繰延税 | -516 |
現金支出の伴わない費用 | 1955 |
現金収入 | - |
営業支出 | - |
税支払額 | 2988 |
利息支払い額 | 2546 |
運転資本の変動 | 843 |
投資CF | -448 |
設備投資 | -213 |
その他の投資キャッシュ・フロー項目、合計 | -235 |
財務CF | -9634 |
キャッシュ・フロー項目を融資する | -326 |
配当金支払い合計 | -2506 |
株式の発行(退職) | 49 |
債券の発行(退職) | -6851 |
外国為替の影響 | -40 |
現金の純増減額 | -2631 |
期首現預金残高 | 11832 |
期末現預金残高 | 9201 |
フリーキャッシュフロー | 6980.88 |
フリーキャッシュフローの伸び | 6.35 |
フリーキャッシュフロー利回り | 2.51 |
財務CFにおいては配当金の支払いと社債の償還にあてているみたいです。
最後に2023年に入ってからの株価をみてみましょう
2023年に入ってからはさえない展開ですね。
下のパープル色のグラフはRSIですが、30未満であり売られすぎの状態です。
アッヴィは2022年までは株価は順調に伸びていましたが、最近は株価は低下し売られすぎの状態です。
アッヴィは現在良くも悪くもヒュミラ®というブロックバスター薬でもっているように思います。そのため同薬を超えるような薬品を開発しないと、市場では評価されないでしょうね。
しかしPERは22.15倍とまだまだ割高であり、ROEは72.14%と高い収益率を誇っています(製薬会社は一般的にROEが高いみたいです)。
機会があれば同社の株を買い増していきます。