VISA S&P500銘柄の優等生

皆さんはクレジットカードを使用するとき、VISAを使用されている方が多いのではないかと思います。

私もクレジットカードはVISA一択です。

VISAはクレジットカードの決済業務を主とする巨大企業です。

 

 

 

時価総額は4741億ドルであり、2023年世界時価総額ランキングで13位です。

ちなみに時価総額日本一企業であるトヨタ時価総額は2325億ドルでした。そのためVISAの時価総額トヨタの2倍以上あることになります。

ちなみに同社の時価総額を国家GDPに換算すると世界第35位となります。

これはマレーシアやベトナムGDPよりも大きな企業です。時価総額が中産国レベルのGDPと同じくらいになるのですね。びっくりです。

 

世界におけるクレジット会社のシェアは以下のとおりになります

 

VISAが約6割を占めており、他社に対して大きな優位性があります。

2位はMasterCard、主に欧州でのシェアが大きいといわれています。3位は銀嶺カードでUnion Payとも呼ばれています。中国で主に使用されていますが、実は181か国での使用が可能であり、VISAやMasterCardのような国際ブランドに近い存在になりつつあります。

 

VISAの成り立ちですが、1958年にBank of Americaが「Bank Americard」の名称のでクレジットカードを発行したことから始まります。

Bank Americardは1960年代にアメリカ全土に広まり、1970年代には世界中にも進出しました。

その後1970年にBank Americardを扱う銀行が共同で開発や運用を開始し、アメリカ国内での普及促進を行うNational BankAmericard Incorporated(NBI)が設立されました。

その後1974年には海外のカードのプログラムを管理するためにthe International Bnnkcard Company(IBANCO)が設立されました

そして1976年にVISAブランドで統一されるようになりました(東洋経済Online 泉田良輔氏の2017/6/8記事を参照)。

 

その後2007年にVisa Europeを除く世界各地の組織を再編し、現在のVisa Incorporatedが設立されました。そしてその翌年にニューヨーク証券取引所に上場します。

そのため誰もが知るVisaが上場したのは今から15年前と、比較的最近ことなのです。これには私も驚きました。

 

本社はカルフォルニア州のフォスターシティーという町にあります。

同市はサンフランシスコのダウンタウンから36キロほど南へ下ったところにあります。

フォスターシティ自体は人口3万人ほどの小さな町ですが、サンフランシスコベイエリア都市圏に属しており、シリコンバレーの一部と言っていいのではないかと思います。

 

株のことをいうと、VISAは情報技術のセクターに分類されます。しかし金融セクターに分類されることも多く、はっきりしない印象です。私的には金融セクターと思っています。

 

それではVISAの2023年1月-3月の決算をみていきましょう。

2023年4月25日に2023年第二四半期決算が発表されました。

まずEPS(1株当たりの利益)は2.09ドルであり、予想1.98ドルを上回りました。

また売上も80億ドルであり、予想78億ドルを上回りました。

 

最初に貸借対照表をみてみましょう。まずは四半期ごとです。

Invest comのデータを元に作成

総資産は変わらず、総負債は漸減していますね。

次は今回の貸借対照表です。少しビジーな図です

(単位、百万ドル) 2023年
流動資産合計 28657
現金および短期投資 16594
現金 -
現金および現金同等物 13842
短期投資 2752
売掛金合計 4064
売掛金 4064
在庫合計 -
前払費用 1236
その他の流動資産、合計 6763
総資産 86755
固定資産合計 - ネット 3359
固定資産合計 - グロス -
減価償却累計額 -
純暖簾 18078
純無形資産  26574
長期投資 2840
受取手形 - 長期 -
その他の長期資産、合計 7247
その他の資産、合計 5451
流動負債合計 19097
買掛金 280
買掛/未払い -
未払費用 4624
支払手形/短期負債 -
1年以内返済長期借入金/キャピタル·リース -
その他の流動負債、合計 14193
総負債 48190
長期負債合計 20606
長期負債 20606
キャピタル·リース債務 -
繰延税額 5462
少数株主持分 -
その他の負債、合計 3025
総資本 38565
償還優先株式、合計 -
優先株式-非償還、合計 1885
普通株式、合計 20095
資本剰余金 -
留保利益(累積赤字) 17610
金庫株-普通株式 -
ESOP 債務保証 -
未実現損益 -
そのほかの資本、合計 -1025
負債および株主資本合計 86755

重要な部分をカラーで示しています。

ここで注目すべきところは、暖簾代と無形資産額が多いところです。

VISAはモノを売って稼ぐ企業ではなく、決済システムを売っている、もしくは加盟店からの手数料を徴収して収益を得ている企業ということがわかります。

そういうところは情報技術セクターと言えますね。

VISAの営業利益率は66.94%です。日本の企業の一般的は営業利益率が約10%であることを考えると驚異的ですね。まさに決済システムを構築して他社への追随を許さなければ「濡れ手に粟」のビジネスとなります。

 

次に通期での貸借対照表のグラフです。

Invest comのデータを元に作成

総資産、総負債ともに漸増しているため、総資本も横ばいですね。

次に損益計算書をみてみましょう。まずは四半期ごとです。

Invest comのデータを元に作成

どれも少し漸増ですね。
次に通期でみてみます。

Invest comのデータを元に作成

こちらは2020年は前年度と比べて全ての利益が下がっています。2020年からのコロナパンデミックで消費が減退したことが理由だと思われます。

しかし2021年からはどの利益も大きく上昇しています。コロナショックにおける各国の金融緩和、その後のリベンジ消費、インフレが影響しているかと思います。

 

最後にキャッシュフロー計算書をみてみます。こちらは通期のみです。

Invest comのデータを元に作成

営業CFが常にプラスであることは、高い収益を得ていることの証ですね。

対して財務CFが常にマイナスであることはどう考えたらいいのでしょうか?

財務CFの詳細をみると、株式発行が大きな理由みたいです。マイナスになっているということは、自社株買いにより、企業の手持ちのキャッシュが減少していることを意味しているのでしょうか。

 

このように財務的にはVISAは優等生です。そして収益力も抜群に優れています。

欠点は、VISAの株価は常に割高であることです。2023年5月15日のPERは52.55倍にもなります。優等生企業だから仕方がないのですけどね(;^_^A

1株232ドル(32320年)と高額であるところも買いづらい要因となっています。

 

私は2019年7月29日に米国株を初めて購入しました。その株というのがVISAであるため、同社の株には特別な思い入れがあります。

当時1株182.87ドルで購入しました。当時と比べると現在は1.77倍にまで上昇しています。

VISAは本当に優れた、抜け目のない企業だと思います。そうした点はマイクロソフトと似ていると常々感じています。

同社は今後も成長していくと思います。