アップル(AAPL)、世界時価総額ナンバー1企業の決算
本日アップルから配当金が振り込まれました。
私は同社の株を26株保有しており、金額は多くありませんが配当金は不労所得の代表的なものであるため嬉しいものです。
アップル(ティッカーシンボル;AAPL)はいわずとしれたiPhoneやiPad、Macを製造している企業です。
同社は時価総額世界一の企業です。
時価総額は2兆7500億ドルであり、日本円だと379.5兆円となります。2022年日本のGDPが547.5兆円なので、アップルの時価総額は日本GDPの約7割となります。
日本の株式市場全体の時価総額は5.7兆ドルであるため、アップル1社だけで日本株式市場の時価総額の半分近くを占めることになります。
アップルの時価総額は国家GDPとなぞらえると世界第8位になります。カナダやイタリア、韓国よりも大きいのです。G7加入国のGDPよりも大きいとはものすごいですね。
EPS(1株当たりの利益)は1.52ドルで、予想1.43ドルを上回りました。
売上は948億ドルであり、こちらも予想929億ドルを上回りました。
そして今期の貸借対照表です
総資産3300億ドル、総負債2700億ドルとどちらもすごい数ですね。
そして通期でみていきましょう。
総資産は漸増していますが、それ以上に総負債が増えているため総資本は少し減っています。
アップルはITテクノロジー企業であるため、製品開発に膨大な資金が必要となります。そのため負債の増加は攻めている証拠であるため、悪いことではないでしょう。
次に損益計算書をみてみます。
2023年4月1日時点のデータが前四半期よりも下がっていることが気になります。
そして通期の損益計算書です。
通期では右肩上がりですね。
しかし私は通期の損益計算書で楽観視はできないと思っています。
理由は近いうちアメリカがリセッション入りする懸念があるからです。
コロナ中にもかかわらず2021年IT企業は業績好調で、株価を上昇させました。しかしアメリカ国内は強いインフレに見舞われたため、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)はインフレ抑制のために2022年より利上げを開始しました。半導体不足、高金利、インフレによる価格高騰は、高ブランド力によって高い収益力を上げているアップルにとっては逆風になるでしょう。
最後にキャッシュフロー計算書をみてみましょう。CFは通期のみとします。
投資キャッシュフロー、2019年はプラスで2020年以降マイナスですね。
あと財務キャッシュフローが常にマイナスです。
負債を毎年返済しているからでしょうか?エクセルで財務キャッシュフローを注目した図を示します。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
9月28日 | 9月26日 | 9月25日 | 9月24日 | |
純利益/スタートライン | 55256 | 57411 | 94680 | 99803 |
営業CF | 69391 | 80674 | 104038 | 122151 |
投資CF | 45896 | -4289 | -14545 | -22354 |
財務CF | -90976 | -86820 | -93353 | -110749 |
キャッシュ・フロー項目を融資する | -2922 | 754 | 976 | -160 |
配当金支払い合計 | -14119 | -14081 | -14467 | -14841 |
株式の発行(退職) | -66116 | -75992 | -92527 | -95625 |
債券の発行(退職) | -7819 | 2499 | 12665 | -123 |
フリーキャッシュフロー | 58896 | 60387.38 | 73295 | 90215.25 |
赤文字の部分に注目してください。株式の発行欄のことです。
2022年は956億ドルもマイナスになっています。おそらく自社株買いによるものでしょう。自社株買いをすることでEPSがアップします。さらに株式市場におけるアップル株数が減少するため価格は上昇します。そのことが株主達のキャピタルゲイン、金融資産増加に貢献するということです。
次にアップルの株価をみていきます。
ここ2年のチャートです。上段が週足チャートで、下段がRSIを示しています。
昨年は株価受難の年であり、2022年度はアップル株は27%も下落しました。しかし2023年は一貫して上昇しており、年初来から34.81%も上昇しています。
PERも28倍にまで上昇、RSIも70を超えており、割高水準となっています。
次に1株当たりの株価の推移と配当性向です
配当金は徐々に上がってきていますが、配当利回りは低いです。5年前までは1%くらいでしたが、同社の株価が上昇してきたため最近では0.6~0.7%くらいを推移しています。
配当性向ですが、15~25%くらいです。まだまだ余裕がありますね。
アップル株はインカムゲインよりもキャピタルゲインを取りにいく企業ですね。
アップルの製品の特徴について考えます。
同社の製品はシンプルであり、豪華絢爛な装飾品が施されているわけではありません。
しかし究極的にまで研ぎ澄まされたフォルム。使いやすさ、強固なセキュリティーは他社のスマートフォンを圧倒します。
他社にもIPhoneによく似たスマートフォンがありますが、似て非なるものだと思います。
本当にスティーブ・ジョブズはすごい人物だと思います。
これからもアップル製品、そして同社株に目が離せません。